2001年1月18日 おもいでスレイヤーズ(アニメTRY編)

 何だかずいぶん更新が滞ってた、おもいでスレイヤーズですが、とりあえず復活。今回はTRYについて語ります。

 NEXT終了後、前例があったので、復活するかなー、っていうのは予想してましたが、1月にラジオで復活を知ったときはかなりうれしかったです。で、それからドラマガを立ち読みでチェックしたりして情報収集。タイトルがTRYと聞いて最初は語呂がいまいちしっくりこなかったけど慣れちゃえばGoodなタイトルですね。「スレイヤーズ」ってタイトルはあとにいろいろ言葉を付けてもなんかうまくまとまる便利なタイトルだなあ…。でも意味は殺戮者でやたら物騒だけど…。

 TRYが放映された97年当時私は高校3年生…受験生でした。それもなんのそのでファン道を突っ走った私。ビデオ録画も1回予告がきれてしまったことをのぞけば全話成功。半年の努力の成果は私の宝物です。全26話ですが、2時間テープで3本に納めてあります。内訳は1本目は全部3倍で12話、2本目は9話分は3倍、残り1話を標準で録画。最後の4話を3本目に標準で録画、というやたら複雑怪奇なものに…。いろいろ自分なりに考えた結果こうなったと思うのですが、実は3倍にするとギリギリで1本に13話入ることに後に気付いた…。今思えばこの取り方で1話を標準でとればよかったなーと思ってます。一般的に1話ってクオリティ高いですから。

 内容の話になりますが、前2作と違って、完全オリジナルのTRYですが…、個人的には今ひとつ。前半は結界の外の世界で大冒険、といった感じで面白かったのですが、後半はどうも話の中心がフィリアとヴァルガーヴに偏ってる印象で…。たくさんあるシリーズの中の1つであるならそれもいいけど、これを持ってスレイヤーズアニメは終わりにされちゃうとどうも…。やっぱり、主人公であるリナをもって終わって欲しかった、というのが正直な感想です。まあ、私が主人公びいきなんでこんな感想なんだろうけど…。

 なんだか、頭っから結論書いちゃいましたが、もう少し詳しく説明します。
 まずはTRYのテーマの1つに、21話「未踏未開!封じられた歴史」のガウリイのセリフ「本当に悪いやつは誰なんだ?」という問にも象徴されるような、「悪人の不在」、というものがあると思います。このテーマ設定がちょっと気に入らないわけです…。TRYの敵キャラはとりあえず根っからの悪人ではないことになっています。彼らは不幸な境遇のため悪事にはまっていったり、やむを得ぬ事情でリナたちと対立したりしています。しかし、リナがよく口にする言葉に、「悪人に人権はない」というのがあります。これは、正しいかどうかは別としても、スレイヤーズを面白いものにしている要員の一つであると思います。この「悪人」といのは、どういう人物をさすのか?それは、盗賊だったり、極悪大臣だったり、また人ではないけど魔族、モンスターなんかも含まれています。この悪人の基準は、絶対的なものではなく、リナの主観によって決定されていると思います。まあ、かなり自分勝手な話ですがスレイヤーズはリナが自分の意志で敵とみなした存在を問答無用でしばき倒していく、というところに爽快感みたいなおもしろさがあると思います。もちろん原作においても、一概に悪とは言い切れない、戦いたくない相手との戦い、というやつもありました。しかし、その敵キャラの中で、クローズアップされているのは、悪に染まった理由ではなく、それを超越した「決意」ではないか思います。
スレイヤーズにおいて「悪人にも理由が…」というのを全面に出すのはなんか違うな、って気がしてしまいます。まあ一般的なテーマとしては悪くないと思いますが、15話「厄難危難?ここは不思議の島!」のリナのセリフではありませんが、「どっかほかの番組でやって」という感じです。ちょっときついけど…。

 次ぎの問題点はは、ファンの方には大変申し訳ないのですが、「個人的にヴァルガーヴに感情移入できない」、というものです。これは私がTRYにはまれない最大の原因でもあります。確かに、ヴァルガーヴの境遇は悲劇的です。そしてそれを知ってしまったフィリアは大いに悩むわけです。でも、ぶっちゃけたはなし、不幸な境遇を背負った敵キャラ、なんて世の中のアニメ・マンガにおいてはそんなに珍しいものではないですよね。もちろん、キャラクターを魅力的にみせるために有効な手段だから一般化しているわけで、それ自体は悪くはないと思います。ただ、問題は見せ方です。ただ単に、「これでもかっ」、てほど壮絶な過去を提示して同情を誘うだけでは、ありがちなものになってしまいます。その点においてはTRYのヴァルガーヴの過去は、古代竜(エンシェント・ドラゴン)の一族が正義の名の下に黄金竜(ゴールド・ドラゴン)に滅ぼされ、滅ぼした側の一族の子孫であるフィリアがそれを知ってしまい、何も知らなかったことを思い悩むという形で、見せ方は成功していると思います。ただ、この2人の関係の中で、本来主人公であるはずのリナが蚊帳の外のような印象を受けてしまうわけです。キャラクターという点ではリナ達も負けてはいませんが、物語の進行上ではもう完全にフィリアとヴァルガーヴに食われてしまっています。もちろん、主人公だけで物語が成り立っているわけではありません。でも、サポートフィリアとヴァルガーヴはTRYのオリジナルキャラです。オリジナルキャラが原作からのキャラになじまなかったり、あたり負けしているようでは存在の意味がありませんが、大元の原作からのキャラを食ってしまっては、行きすぎだと思います。一応「スレイヤーズ」でお話やってる訳だから、リナとの絡みの中でヴァルガーヴをみせて欲しかった、というのが正直な感想です。このようにリナとの関係が希薄なままでは、ヴァルガーヴにやたら正義の味方っぽく説教たれたり、ヴァルガーヴを倒したあとにリナが落ち込んでいたのもちょっと浮いている気がします。ヴァルガーヴの過去を知ったとは言っても、リナにしてみれば命を狙われていた相手という以上のものはないような…。なんかこう、ヴァルガーヴが「悪人に人権はない」の「悪人」に含まれない説得力がないというか…。普通のアニメやマンガなんかなら充分すぎるくらいかわいそうなひとなんだけどさ、ヴァルガーヴ。でもスレイヤーズにおいては説得力弱いですよ。リナは正義の味方ってわけじゃないですし。これじゃあ、ご都合主義の如くリナが急にいい子になっちゃったみたいです。ヴァルガーヴの悲壮さより、この部分の方が気になっちゃって、感情移入できないわけです。

 TRYから少し離れますが、本編15巻「デモン・スレイヤーズ」発売以来よく聞く感想に「ルークとヴァルガーヴが似てる」というものがあります。私もそのように感じました。TRY始まる前にはルークの声は高木渉さんがいいんじゃないかとか思っていたし、イラストも目つき悪いところとかちょっとかぶってますし。で、14巻でリナ達と戦うことになってさらに2人は似てきました。でも、私はルークには感情移入できました。それはリナとルークの関係が深いもので、リナがルーク相手にためらう理由がはっきりと示されているからです。ルークとミリーナはリナ自身がはっきりと認めた仲間でした(本編12巻p234には、「この2人なら心配いりません/信頼できる人たちですから。/ともに―覇王将軍シェーラを倒した仲間です。」とある。)。そんな仲間であったルークが、ミリーナにどんな思いを抱いていたか、どうして暴走してしまったかをリナは知っています。最初はそんな思い故にルークとの戦いを拒んだリナですが、ガウリイの助言もあって、ルークの思いに答える形で戦う決意をします。原作第2部では、リナとルーク達が仲間になる課程から始まり、仲間であったルークがリナ達と戦うに至るまでがきちんと書かれているのです。そこが2人の違いだと思います。

 なんか書いてるうちにまとまらなくなってきちゃいましたが…。TRYの最後は何だか納得いかないということを言いたかったんです。結構これをupするの反感覚悟ですが…。

こんなに言いたい放題言った後で何ですが、ベスト5エピソードを…。

その1 第1話「威風堂々? 旅立ちの帆を揚げろ!」

 例にもれずハイクオリティの第1話。作画もきれいだし、これから何が始まるんだろう、っていうドキドキ感をあおり立てられるお話です。

その2 第2話 「半信半疑?郷里からの手紙に」

 これは姉ちゃんの手紙にびびるリナに1票!ついでに登場もして欲しかったな。リナの「姉ちゃんに逆らうぐらいなら竹籤武器にして魔王にケンカ売った方が100万倍マシね」はTRYの名言。

その3 第8話 「用意周到!計画は動き出した!」

 リナ達・アルメイス・ヴァルガーヴ・ゴールドドラゴンそしてゼロスの大混戦がGood。しっかし、アルメイスに「自分さえよければ他人はどうなってもいいって考え方は好きじゃない」って言い放ってたリナだけど…人のことは言えないと思うぞ…。

 その4 第14話「横行闊歩!終わりなき慟哭」

 作画枚数がえらいことになっていたという14話。すごい動きでした。一か八かのギガ・スレイブのシーンが好きです。あーいうスチェーション好きなんで…。

 その5 第15話「厄難危難?ここは不思議の島!」

 まあ設定に多少無理があるけど、アリス・リナが他に例なくかわいいので…。

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