おもいでスレイヤーズ(イラスト編):2001年11月5日執筆

 久々のこらむ更新です。今回は原画展開催記念(になってるのかわからないけど…)。スレイヤーズのイラストについて語りたいと思います。

 前にもどこかで書いたような気がしますが、私、スレイヤーズのイラストがあらいずみ先生のものじゃなかったら、こんなにはまらなかったかもしれません。もちろん、神坂先生の文章だけでもスレイヤーズは充分面白いと思います。でも、文章だけじゃなくってイラストも好みだった事が、私がスレイヤーズにはまってしまった大きな理由だと思っています。

 ここでちょっとスレからずれますが、一般論的な話。私、マンガとかアニメとか、そういったものを選ぶときに、まず最初は絵柄を基準に選ぶことが多いんです。新番組始まるとき、「この絵はあんまり好きじゃないから見なくていいや〜」、って思っちゃったり。ところが、絵は好みじゃなくても話が面白かったりする作品って結構ありますよね。で、そんなこんなで、読んだりしていくうちに、最初は好きじゃなかった絵が、話にはまるにつれてだんだんよく思えてきたりするんですよ。ややこしいんですが、結局私にとって、話が主で、絵は従みたいなんです。かといって、絵が重要じゃないか、と言えばそういうわけでもない。ファーストインプレッションは絵で決める部分が大きいんですよ。でも、絵が好きなだけでもダメ。お話やキャラクターが深くないと、総合的に好きになれないんです。

 好み、好みと言っておりますが、具体的にどんなのが好きかっていうと、線が割と太めで、線ではなくて面で構成されている様な感じの絵です。まあ簡単に言うとアニメっぽい絵が好きなんです。少女マンガ系よりも少年マンガ系の方が好きです。

 そんなこんなで、スレ話に戻りますが、スレイヤーズはお話、イラスト共々好みだったので私のツボだった、と言うわけです。かわいい感じの中にもかっこよさもあって、素敵なイラストですよね。

 しかし、あらいずみ先生がスレイヤーズの前に、18禁のマンガを描いていた、というのは有名な話。そのまま埋もれなくてよかった…(大きなお世話かな)。

 さて、スレイヤーズイラストについて語るなら、「近年あらいずみ先生のイラストが大幅変化した」っていう話題を出さずにはいられません。具体的に言うと本編14巻あたりから、やたらめったらかわいい感じの絵になってるんですよ。だんだんパーツの書きこみも減ってきてるし、デフォルメが多用されてるし…。特に、SPバージョンの服のパーツは、ズボンがごうじゃす以降のアニメで採用された簡易スタイルになって行っちゃってるし…。

 まあ、スレイヤーズに限らず、マンガとかの絵って、長く続けていくうちに、だんだん変わっていくものですよね。ここで、またまたスレからちょっと離れて、私が今までマンガを読んできた経験から悟った、「マンガ家絵柄の変遷パターン」をご紹介。

1.草創期

 連載などを始めた時の、一番始めの絵柄。描き手さんがあまり新キャラクターに慣れていなかったり、あるいはまだ技術が未発達だったりするため、相対的にあまり上手ではない。後で見返すと違和感ありまくったりする。しかし、その一方で新キャラクターへの意気込みからか書きこみなどは細かい。

2.発展期

 長く描いていくにあたって試行錯誤。だんだんキャラクターの特徴の様なものがはっきりとしてくる。また細かすぎるパーツなどは省かれていく。完成期への過渡期。

3.完成期

 発展期の試行錯誤を経て、そのキャラクターが一応の完成を見る。キャラクターの特徴がはっきりし、描きやすくかつ整った絵柄に。おそらく、最も多くの人に支持される絵柄。この先、手直しを加え完成度が上がっていく程度の変化にとどまる場合もある。その場合は万々歳。


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4.変革期

 一応の完成を迎えた絵柄が、さらに新しい形に変化していく。個人の好みにもよるが、たいていの場合「前の方がよかった」と言われる事が多い。変化のパターンとしては、

(1)描きやすさを追求しすぎたのか、簡略化が必要以上に進行してしまう。

(2)描き手の好みが絵に反映されたのか、絵の重点が変化。

(3)描き手が他の作品の影響を受けてしまい、その作品よりの絵に変化。

(4)時代と共に変化。

などがあげられる。

注意:一つの作品の中のみの変遷です。

 とまあ、こんな感じに変わっていくことが多いんじゃないかなーと。もちろん該当しない作品もあります。でも、少なくとも大半のマンガに草創期はあると思います。4の変革期が悪いように書いていますが、作家さんもずっと同じものを描き続けるのもつまらないだろうから、どんどん変わっていくのも当然なのかも知れません。でも私もよく「○巻ぐらいの絵がよかった…」って思っちゃう事が多いんです。

 抽象的なことばっかり言っているので、スレに話を戻しつつ、具体的に例を示したいと思います。とりあえず、本編のみを見た場合で言わせて下さい。

〔スレイヤーズにおけるイラストの絵柄変化〕

1.草創期(1巻〜3巻

 一般的に草創期はわかりやすいので、これは明白だと思います。描き手さんがまだ慣れてない絵です。1巻〜3巻のイラストは、今見るとかなり違和感ありますね。「描きこみの細かさ」の例としては、リナのまつげが多いことなどがあげられる。

2.発展期(4巻〜7巻くらいまで?)

 4巻で草創期の絵柄から完成期の形の原型に。それから少しずつ整った絵柄に…。

3.完成期(8巻くらい〜13巻)

 スレイヤーズのイラストと聞いて、この辺の絵をイメージする人は多いのでは。リナの描き方で言うと、上まつげ3本、髪の毛のでっぱり、といった特徴がはっきりとする。特に髪の毛はどんどん強調されていく。

4.変革期(14巻〜)

 14巻で問題の変化が起きる。やたらかわいい系統の絵柄に…。また、簡略化が進む…。

と、やっぱり抽象的になってる気もしますが、こんな感じに変遷しているのではないかと…。個人的見解が多いですが…。

 絵が変わっちゃった事に関しては、私も最初は受け止めていました。ただ、最近、申し訳ないですが、本当に顕著で…。簡略化されているのが特によろしくないです…。もちろん、変わってからの絵の中にも「これいいな」っていう絵もあるにはあるんですが…。また14巻より前の絵に戻られると嬉しいのですが…。

 何だか最後はしめっぽくなっちゃってますが、何はともあれ、スレイヤーズは神坂先生の文章にあらいずみ先生のイラストがついて完成形だと思うんです。2人の原作者に乾杯!意味不明ののシメになっちゃいましたが…。これにて終了。

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