注意：これはドラゴンマガジン４月号増刊　ファンタジアバトルロイヤル　「スレイヤーズＶＳオーフェン」のネタバレです。　　

最初は本当に出るのかわからなかったけど、ついに発売となりました、ドラマガ増刊ファンタジアバトルロイヤルのスレイヤーズＶＳオーフェン。その感想を早速アップロード。

　発売前、私は一つの心配事がありました。すなわち、「オーフェンはわからん！」ってことです。一応アニメは見ていたし、ドラマガの連載とか特集は読んだことがあったけど、細かいことはよくわからない。アニメの印象からいえば、あまり好みではない（ファンの方すいません）、といったところが予備知識。あと、同じ秋田氏作のエンジェル・ハウリングというのは毎月読でいたので、文体の特徴とかはだいたい把握していましたが…。まあ、そんなこんなの状態でありまして、スレイヤーズと合作やられても、話が分かるかどうか、はたまた、さらにつっこんで、スレイヤーズからかけ離れたものになってしまうのでは？という心配があったわけです。

　ということで一抹の不安を抱えながら、とりあえず入手。早速読んでみることに。感想は…面白い！これでけひっぱっといて身も蓋もない感想ですが、今までの心配何のその、あっさり引き込まれてしまいました。

　まずは大まかな設定面から。これが、しこりやこじつけがないようにうまく設定されているわけです。文字通り全く世界が違う２つの作品のキャラクターをどう絡ませるのかと思ったら、２つの世界と全くの異世界に召喚させるという形でクリア。魔法の火力はスレイヤーズ世界のほうが格段上で、オーフェン側とのパワーバランスがとれないと言う問題は、スレイヤーズ世界の魔法も一切効かない敵、という形でバランスを取る。この物語のあとは記憶が消える（これはお約束かも…）ってことで、両作品のそれぞれのストーリーには影響なし。うーんお見事！違和感なく読めました。

　次は両作品のキャラ達同士の絡みについて。あ、最初に危惧していたオーフェンキャラよくわからん問題は、だいたいの前知識と文脈で何とかわかりました。最初の邂逅編では、全員一気に出会わせるのではなく、似たものキャラをそれぞれうまく組み合わされているのがよかったです。両チームが一斉に出会ってたら、いきなりキャラ多いし、各々のチームのキャラの絡み（リナとオーフェンとか）が減っていたかも。まあ、その分スレイヤーズチームの中での絡みが結構少なかったのが残念なところなのですが…。でもそもそもスレイヤーズＶＳオーフェンの企画なんだから、当然なんだけど。リナとオーフェンは意外とというか、当然なのか、似たもの通しで息ぴったりでしたね。キース＆ナーガは変態コンビってことみたいだけど、さすがにちょっとやりすぎだったかも。ついていけないものが…。それが狙い？

　重要なストーリーですが…。企画ものってことであまり期待はしてなかったけど、こいつもなかなか。ただ、３章までははどうしてリナ達が召喚されたのかとか、ぽいものはなんで世界作ってるのかとかの謎があったり、大バトル、大ピンチ、どんでん返し、みたいな感じで面白かったんだけど、最後の第４章が…。なんかちょっとぐだぐだ。ぽいものは弱くても、もうちょっと理想つーか、やっていることのきちんとした理由があった方がよかったと思う…。最後はただのやられ役だったし。あと、キーガは悪ノリしすぎだったような…。盛り上がっていた割に、最後は呪文ぶちかまして終わりだし。一応生きてたけどあんまり想像したくないものになったし…。

　次ぎに文体、というか制作サイドを見据えた話。なんか、作者ズの文体が双方異なるので、誰がどこ書いたか、ってのはまるわかりですね。でも、お互い自分の文体で書いてるのにまとめてみたときにあまり違和感がないのが不思議。やっぱりガンダムネタなどで意気投合するような作者達だから、もともと文体も相性がよかったのかも。これ、チャットで書いたらしいけど、世の中ほんと、便利になりました。チャットじゃなかったら出来ませんねこんなこと。

　さて、最後に小説以外の企画についてコメントを…。まずはイラスト。草河版リナはオリジナル版に結構似てるけど、あらいずみ版オーフェンはあんまし似てないね…。まあ、草河絵は割と写実的だけど、あらいずみ絵はマンガ絵でデフォルメ激しいから、ってのはあると思うけど…。対決企画はボーリングにウケました。変な技編み出してるー。あとは、ふぁいとのカード５枚付きってのは集めてる私としてはうれしいですね。オーフェンのカードは魔法の「黒」のマークがスレキャラ版と形違うけど、今後オーフェン専用の魔法カードとか出たりするんでしょうか？でも、スレイヤーズふぁいとのカードって登場ってのはオーフェンファン的にはどうなんだろう…？

　最後に総括して、今回のでオーフェンのイメージ変わりました。同時にアニメはあまり原作の世界観を生かしきれていないことがわかりました。今回の登場キャラはアニメ版とは違ったけど…。でも、買って読もうとかは思わなかったり…。そんなの編集の思うつぼだもん。